- 物流効率化法とは?
物流効率化法は、物流事業者や荷主企業が連携し、共同輸送、共同配送、共同保管などを通じて
物流の効率化を図ることを促進する法律です。
具体的には、以下のような取り組みを支援・促進します。
- 共同化の促進: 複数の企業が連携して物流業務を共同化する際の計画認定制度や、それに伴う支援措置が設けられています。
- モーダルシフトの推進: 環境負荷の低い鉄道や船舶への輸送転換を促進します。
- DXの推進: デジタル技術を活用した物流情報の共有や見える化を推進します。
- 物流効率化法と倉庫建築の関係
物流効率化法は、直接的に「倉庫建築」を義務付けるものではありませんが、その目的達成のために、効率的な倉庫の存在は不可欠です。本法が目指す「共同化」や「DX」を推進する上で、以下のような観点から倉庫建築が重要になります。
2.1. 共同保管・共同配送に対応する倉庫
物流効率化法の柱の一つである「共同化」を実現するためには、複数の企業の商品を効率的に保管し、
共同で配送できる倉庫が求められます。
- 多機能性: 異なる業種や商品特性に対応できるよう、常温・冷蔵・冷凍など多様な温度帯に対応できる設備や、
少量多品種、大量一括出荷など様々な出荷形態に対応できるレイアウトが望ましいです。
- 保管効率: 限られたスペースを最大限に活用できるよう、自動倉庫システムやパレットラック、
移動ラックなどの導入が検討されます。
- 情報連携: 共同利用する企業間の在庫情報や入出庫情報をリアルタイムで共有できるシステムや、
倉庫管理システム(WMS)との連携が重要です。
2.2. DXに対応するスマート倉庫
物流効率化法が推進する「DX」の観点からは、最新技術を導入した「スマート倉庫」の構築が重要になります。
- 自動化・省人化: ロボットによるピッキング、自動搬送車(AGV)、無人フォークリフトなどの導入により、
人手不足の解消と作業効率の向上が期待できます。
- IoT・AIの活用: センサーによる在庫管理、AIによる需要予測、最適なピッキングルートの算出など、
データに基づいた効率的な倉庫運営が可能になります。
- 情報の可視化: 倉庫内のあらゆる情報をリアルタイムで可視化し、異常検知や問題解決に繋げることで、
サプライチェーン全体の最適化に貢献します。
2.3. 環境配慮型倉庫
物流効率化法は、環境負荷の低減も重視しています。倉庫建築においても、環境に配慮した設計が求められます。
- 省エネルギー: LED照明の導入、高効率空調システムの採用、太陽光発電設備の設置などにより、エネルギー消費量を削減します。
- 再生可能エネルギーの活用: 太陽光発電や地熱利用など、再生可能エネルギーの積極的な活用を検討します。
- CO2排出量の削減: 建築資材の選定や建設プロセスにおいても、CO2排出量の少ない方法を選択します。
- 倉庫建築における留意点
物流効率化法に対応した倉庫建築を進める上で、以下の点に留意することが重要です。
- 長期的な視点での計画: 将来の物量増加や事業拡大を見据え、拡張性のある設計を検討しましょう。
- 専門家との連携: 物流コンサルタントや倉庫建築の専門家と連携し、最適な設計・システム導入について
アドバイスを受けることが有効です。
- 補助金・助成金の活用: 物流効率化に資する設備投資やシステム導入に対して、国や地方自治体からの
補助金・助成金が利用できる場合があります。情報収集を怠らないようにしましょう。
まとめ
物流効率化法は、日本の物流業界に新たな変革をもたらすものです。
この法律の趣旨を理解し、共同化やDXといったコンセプトを具現化する上で、効率的で先進的な倉庫建築は不可欠な要素となります。
本稿が、物流効率化法に対応した倉庫建築をご検討されている皆様にとって、一助となれば幸いです。
工場・倉庫建築ラボでは倉庫建築について、
計画段階からご相談可能でございますので、お気軽にお問合せください。
お問合せページはこちら